故郷



キングダムから二人の術士が旅立った。
一人は表の院、一人は裏の院の、今期一番力ある修了士だ。
これからこの二人は双子でありながら完全なる術士となるため殺し合うだろう…。
……そう、仕向けた。何の疑問も持たずに殺し合うように教育してきた。
これはずっと変わらない…。今も、昔も。
罪悪はない。いや、合ってはならない。これはもう、遥か昔に定められた“掟”なのだから…。
全リージョンの為、その身を犠牲にするべく定められた双子達…。
アレの復活を先伸ばしにする為の大切な贄…。
力があればあるほど良い…。力があれば、アレを満足させ、再び眠らせることができる…。

幾千、幾万の生命を秘密裏に捧げてもアレの復活は防げない…。
事態は急を要した。早く、早く育てなければ…！
もう、贄だけでは駄目だ！！アレを打ち滅ぼさなければ…！！
アレを滅ぼせる程の力ある術士を、術士を、術士を！！


そして術士は旅立った。幾千幾万の新たな術士が…。
けれど未だ倒しすに至らない。しかし、負けた術士はそのまま贄となる。
勝てば勝つでそれで良い。負けてもそれはそれで構わない。
…戻ってこようが来まいがどちらでも。
只、この場がなくならなければそれで……。



キングダムの長老達は双子の帰りを待ち望む。





そして二人が一人に戻り、故郷の地を踏みしめる。
すでに地獄の魔物に崩壊されたキングダムの地を……。





ああ、愛しく、そして憎い我が故郷･キングダムよ…。
ここは滅んで正解だった。
自然の理を曲げ、ヒトを贄とした大罪…。

ここは滅んで正解だった。
これからは、もう少しマシなリージョンになるだろう…。



ここは、滅んで、正解だった…。

なのに、物悲しいのは……？


…キングダムよ…







後書き

見ずらくってごめんなさい。
ちゃんと『故郷』になってますよね？ね、ね？
キングダムのお偉方から見た修了士ってこんな存在？と思って書きました〜。
最後の独白、意味わかんなかったらごめんなさいっ。
私はちゃんと、「こういう気持ちで！」とイメージはあります（なかったら最悪だ）
上手く伝わらないのは私の文才の無さの所為ですぅぅ〜〜。
皆さんの解釈をお聞きしたいなvvなんちて。



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