戦い



「くっ!」
棍棒のような杖を後ろに飛び退きかわす。
目標を見失った杖は、そのまま床をガラガラと崩した。



資質を求め、ついにここまでたどり着いた。
時間妖魔のリージョン…。
時の君と呼ばれる、時術の資質を持つ妖魔…。




『好きにしろ。
私とお前の一騎打ちだ。
私に勝てば時術の資質はお前のものだ。
しかし…私も『君』と呼ばれるもの…。
ただではやられん…』




「カオスストリーム」「超風!!」
互いの術がぶつかり合う。
一筋の汗が流れたのは、果たしてどちらの術士か…。




強い…。
君を名乗るだけの事はある。
スピード・攻撃力・耐久力…。
いずれも『ヒト』では持ち得ない、『妖魔』だからこその強さ…。
しかし、それすらも霞んでしまう程の時術の威力…!!

……欲しい……!

これほどの力を手に入れることができれば……!!

きっと、勝てる…。アイツにも…!!



表情のない美しい顔をきっと見据え、魔力を練り上げる。
声高に詠唱する術は、秘術最大にして究極奥義、『塔』



この術を避けられるか耐え切れられれば…、
術力を全て失った俺の勝ちは薄い…か…。
しかし、最早手段を選んではいられない。
決まらなければ、次の手を捜してでも、必ず…勝つ!



二人の間に巨大な塔が出現し、雷を生み出す。



勝者は、オレだ!!!



時の君は防禦の術を唱え始めるが、到底間に合うはずがない事を、知っていた。
あと少しという所で、強力な雷が時の君を打ち据えた…。


「グッ…」






後書き

展開はやっ!!な、VS時君戦でした。。
そういやぁ、ゾズマは出たけど時君出てないなぁと思いできた話。
こんなんでごめん、時君。しかも少し往生際悪い?
ゲームだと時君すこぶる弱いが、仮にも(仮!?)君を名乗ってて、
人間見下してる妖魔なのでちょっと苦戦(してるように思えないが)してもらいました、ブルー君。



05.1.12 UP

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