危機
激しい衝撃が襲う。
宙に投げ出された身体はゆっくりと円を描いて落ちてゆく。
背を強かに打ちつけ、血を吐いた。鉛の、嫌な味が口中に広がる…。
五体を引き裂かれるような痛みに、思わず顔を顰め、眼前の男を見やる。
蒼かった法衣は、黒っぽい紫へと変色していた。
容赦ない相手の攻撃に、身体がついていかない。
視界が揺らぎ、ぼやけ、白んでゆく…。
死
その一言が頭をよぎる。
『死』というものに対する恐怖で、身体が縮み上がっていく。
いやだ、死にたくない!!
そんな思いからか、一体どこにそんな力が残っていたのか震える足を叱咤し立ち上がる。
男が驚いたように目を見開く。
自分でも驚いた。
こんなにも、生へ執着するとは…。
…だが、負けない。…負けられない…!
必ず、勝たせてもらうぞ…。
たとえ、どんな局面であろうとも、必ず…!
後書き
ブルー君ピーーーンチっ!
さて果て、勝敗は…?
……なまじ双子なもんだから、下手に偏った勝敗付けるとやばいと思ったもんで…。
ただでさえもう偏ってるのに、お題内容が…。
戻る?