敵
ルージュ。その者は俺の双子、俺の肉親…。
俺が、生き延びるために倒すべき相手……。
「ブルー。時空の資質は、資質を持つ相手を倒さないと手に入らないって、本当…?」
女(エミリアといったか?)が聞いてくる。思えば、この女を最初に駒に加えたんだったか…。
何の役にもたたんだろうと思っていたが、結構使えたな。
「本当だ。時術ならある妖魔を。空術なら智慧あるモンスターを殺さねばならん。
…邪魔をするならお前も殺すぞ…」
「邪魔はしないわ。…でも、そこまでして資質が必要なの?
ブルーは本当にそれでいいの?
術しか信じないの?仲間は?ライザやゲンさん、リュートも信じられない?
ここまで一緒に来た皆も信じてもらえないの?」
泣きながら訴えるエミリアの後ろに、ライザたちがいた。
…後ろめたい事なんか無い。俺は間違えていない…!
俺は生きるために行くんだ…!
俺とアイツの、生死を賭けた闘いなんだ!!
なのに、何故あいつ等の目が、俺を責めている様に見える?
何故あいつ等の顔をまともに見れない!?何故だ!!
「お前達がどう思おうと、俺は資質を集めなければならん。
…明日、時間妖魔のリージョンへ行く。
行きたくないヤツは今日中に去るんだな。
……話はこれで終わりだ」
あいつ等を部屋から出し一人取り残されて、考える。
間違えているか否か…。
「これでいい…。これで、いいんだ……」
呟いた声が震えている事を、俺は自覚していた。
運命の朝が、明けようとしていた…。
後書き
きゃー、時君殺されてしまうのねー。
私、麒麟の時でしか出ない会話好きなんです。
「本当にこれでいいの?」「これでいい。これでいいんだ…」
ブルーの、唯一の弱さが出てますよね。
大好きなんですけど、何で麒麟でないといけないの!?
時君の時にも出て欲しかったわ!
(私、時君しか行かないのに…!だって、空術弱いんだもん…。
麒麟に会っても嬉しくないしぃ〜)
そんな不満を持ちつつ、時君のとこに行くのに会話発声〜♪させてみたり…v
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