ドーナツ




「マリンさん、お願いがあるんだけど…」
そう言うリュートを、不思議そうに見遣り、マリンは答えた。
「お願い…、ですか…。私にできることなら何でもやりますよ!」
任せて下さいと言わんばかりに腕まくりのフリをするマリンに微笑みかける。
「じゃぁ、お願いしちゃおうかな」
何ですかとばかりに身体ごと寄せてくるマリンに苦笑しながら、あのねと切り出す。
「前に、新緑の騎士同士の集まりがあるって、話したでしょ?
それでね、…マリンさんに、お菓子を作って欲しいんだって。
僕、ここ暫く忙しいから、前みたいな小細工はできないんだよ。
…お願い、できるかな?」
手を顔の前で合わせ、お願いポーズをしてみると、マリンは破顔する。
「そんな事くらいなら、いくらでも任せて下さい!何を作ればいいんですか?」
「何でもいいんだよ。とにかく、君の作ったものが食べたいらしいから」
ごめんね、ありがとうといい、リュートは騎士院へ戻って行った。


「「「おおぉぉおぉぉぉおおおおぉぉお!!!」」」
マリンが腕によりをかけ、様々なお菓子を作ってきたら、男たちは歓声を上げ、
中身を見たら、幾人もの男たちが声を上げる。
数種類のお菓子たちが、可愛らしくトッピングされこれぞお菓子の醍醐味だ!という風情である。

「ありがとう、マリンさん。あんなにいっぱいじゃぁ、大変だったでしょう?」
騎士たちから離れ、リュートがマリンに声を掛ける。
「ぃいえ、全然。楽しかったですよ?あんなにお菓子作ったのって、久しぶりだから、嬉しくなっちゃいました」
「なら、いいんだ」
あ、そうだ。はい、リュートさん。これ、食べて下さい。以前頂いた、ドーナツのお返しです」
そう言ってリュートに袋を差し出す。周りのモノとは違う、明らかにリュートの為に作られた袋にお菓子…。
リュートは驚き、そして嬉しさで声が出なかった。黙ったままのリュートを、首を傾げて見る。
「…………ありがとう…………」
「え!?リュートさん?」
聞き取れなかったのだろう問い返すマリンに、リュートは笑みを浮かべる。
「ありがとう、マリンさん。すごく嬉しいよ!」
そんなリュートを、マリンはうっすらと頬を染めて見上げていた。


マリンからリュートへのお返しは、可愛らしくトッピングされたドーナツだった。




後書き

やっぱり、一番シックリきます、リュートED。
リュートにはマリンですね♪(他も好きですが)
ドーナツといったら、この2人でしょう!(かぶりネタな感じだけど)
あぁでも、デートイベントのつもりが…。どこから変わった、展開の趣旨は!?
最初か!?やはり最初がいかんかったんか!?
くそぅ…。

BGM カサブタ〜清麿vr




戻る?