故郷
「ブルーさん、故郷のことも思い出せませんか?」
海岸を散歩しながら傍らの青年に問いかける。
「…全然。でも、思い出さなくても、いいと思ってる」
そうふんわり笑うと、少女は考え込むようにして、
「でも、大事な人とかが、いたのかも、知れませんよね?家族の方たちも心配してるでしょうし…」
「大事な…、子ならいた…。僕の…半分で、とても大事な。唯一家族といえるのかもしれないね」
マリンは驚きブルーを見る。半分…。それは以前、アクアが言っていなかったか…?
有り得ないと思いつつ、マリンは問う。
「その子の…、特徴とかって…、覚えてます?」
心臓が高鳴る。唾液を飲み下しても、一向に喉が潤わなくて…、気分が悪い…。これは多分…、嫉妬。
「あの子の事を考えると、いたたまれなくなるんだ。僕は…、置いていかれたから…。
でも、互いがとても大事だったことは変わらない。だって、僕の半分だったんだから。
とても大事だった。僕には、あの子さえいればよかったんだけど、あの子はもっと他の何かを求めてた。
置いていかれたことを信じたくなくて、認めたくなくて、足掻いていた様な気がする」
覚えているのは感覚的なことだけ。どんな顔をしていたか、
どんな服を着ていたか、そういうのは覚えていない。そうブルーは言う。
「それに、もういいんだ。あの子はもういないけど、僕には君がいてくれるから。
誰にもあの子の代わりなんてなれないけど、君の代わりもいないから。
…君は、君の探す“ブルー”が僕じゃなくても、側にいてくれる?記憶のない僕は…、必要ない?」
縋る様に言われ、マリンは慌てて否定する。
「そ、そんなわけないですよっ。私は、私は“ブルー”さんが好きでした。今も。でも、ブルーさんも好きです。
記憶の在る無しは、関係ないですよね。ごめんなさい。私、徒らに貴方を不安にさせていたんですね」
ごめんなさい、と謝る少女を眩しそうに見つめ、半分の言ったことを思い出す。
『あなたも、人間を好きになってね』
後書き
ブルーvマリンです。ブルーって、結局記憶あるんでしょうか?
人になったら記憶失くすのかなぁ思ってたら、アクアEDはしっかり記憶あってしかも薄情…。
じゃぁアクア見たく故意に失くしたの?それともないフリ?
一番謎の残ったEDでしたねぇ〜。そして不満。
(あのEDじゃぁマリンがブルーそっくしさんにブルーを重ねてる様にも見れるじゃない!!)
そういうのは好きじゃないぞ!!個人を無視してるぞ!!
「君、マリンって名前の女の子、知らない?」
「え!?な、何でですか?」
「……良く、解らない…。でも、とても大事な事を教えてくれた気がするんだ。
逢わなくちゃいけないような気が…」
「…貴方…、もしかしてブルーさん?」
「?君、僕が誰だか知ってるの?」
的展開希望していたんですよ!さすればもうブルー決定なわけで。
マリンもブルーとして改めて好きになれるし。
どうよ!?(どうよといわれても、ねぇ?)
BGM FEサントラ
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