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優しさ
「きゃっ」
小さな悲鳴と共に、少女が盛大にこける。
「お前は何で何もない所でこけるんだ?」
少女と歩いていた男は笑いながら問い、少女が立ち上がるのを待っていた。
照れ笑いを浮かべながら立ち上がると、激痛が少女を襲う。
顔を顰め、思わず座り込むと、普段と違う少女の反応に心配したのだろう男が近づいて来る。
「おい、どうした!?」「足…、挫いちゃったみたいですぅ。」
痛みで瞳を潤ませながら告げると、男は少女の足に触れ、具合を確認する。
暫くしてから嘆息し、少女を抱きかかえる。
「え?ちょっ、ア、アークさん?」
驚いた少女が抗議の声を上げるが、男は気にした風もなく神殿へ向かって歩き始める。
「? アークさん、今日は森へ行くんでしたよね?」
軽く首を傾げると、男は苦笑する。
「っばーか。お前足痛めてんだろ?森になんか行けるわけねーだろが。
ま、足が腫れてもいいってんなら止めねーけどよ。」
「…気遣ってくれてるんですか?」
嬉しくてそう聞くも、男は明後日の方向を向き、関係ない事を話してくる。
照れている。そう思い、余計嬉しくなって男の首本に抱きつく。
男は驚いたように一瞬止まるも、何事もなかったかの様に再び歩き出す。
後ろを向いている少女に、男の表情はわからなかった。
めったに見せない想い人の不器用な優しさが、心に沁みる。
後書き
アークvマリンで「優しさ」ですが…、なっているのかしら?
アークはマリンをお姫様だっこしているので、首本に抱きつく事が可能なのですが…、
マリンは自分からそんな事しないんですよねぇ。
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