選択



マリンは選択を迫られた。
このままアロランディアで暮らすか、それともずっと想い続けた人と共に暗く寂しい所へ行くか…。

アロランディアへ残ったら、間違いなくマリンは星の娘となるだろう。
アクアも葵も星はなく、残った星はマリンの星のみ。
2人は、もう自分に合った仕事をこなしている。自分だけその責務から逃れる事なんてできない。
自分もやらなくては。そう思う。それが自分に課せられた使命であるのだから…と。

でも、この人を置いても往けない。
ずっと会いたいと想い続けて、やっと会えたのだから…。
何より、寂しくて寂しくて、人を求めるこの人を置いては…。
一緒に生きたい。心からそう思う。
ずっと一緒に、この命が朽ち果てるまで共に生きて、支えて生きたい…。

…でも、アロランディアも捨てられない。捨てるには心を残しすぎた。
自分の大事な、大好きな場所…。
見捨てるなんて、できない…。でも、でも……!!!



辛そうに思い悩むマリンを、満足そうに、悲しそうに、静かに微笑む。
一緒に行くと言って欲しい。けど、言って欲しくない…。
もしもマリンが行くと言ったら、果たして自分は彼女を連れて行くことができるのか…?
こんなにもこの場所に思いを、心を残している彼女を…?
自分の寂しさを紛らわす為に、連れて行くのか…?
(できないよ。彼女が悲しむのがわかってるから…。悲しませたくはないんだから…)
ではこの場所に残していくか…?
(そうしたら、きっと寂しさで僕の心は壊れてしまうだろう…)



行くか行くまいか、連れて行くか連れて行くまいか…。

さあ、選択の時が来た……。



後書き

ブルー×マリンです。お互い好き合ってるけど片思い。
優柔不断というなかれ。本当に大事なモノを秤に駆けて即決できる人は居ないと思います。
それが大事なら大事なほど、選べなくなっていく。
マリンがどちらを選び、ブルーがどちらの道を選んだかは、それぞれで…

BGM 地球ぎ



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