おやすみなさい




「おい、マリン。何時までやってんだよ。とっくに鐘鳴ったぞ」
静かな訓練場に、呆れた声が響く。
マリンから少しはなれた場所にはリュートがダウンしていた。
アークの声が聞こえたのか、不思議そうに振り向く。
「ほんとですか?私全然鐘の音なんて聞こえませんでした」
首を傾げて言うマリンに、アークはやれやれと言わんばかりに首を振る。
マリンの横を通り、軽くリュートを小突く。
「おい、リュート!何やってんだよ。ソロイ様に文句言われてもしらねーぞ!」
数回小突くと、ようやくノロノロと身体を起こす。
「あはは…。そうだね。…よいしょ、っと。…ふう。今日はアークが見回りなんだ。珍しいね」
にっこり微笑む友人に、アークは盛大に嘆息を零す。
「…しゃーねーだろ。エルリック様に言われたんだ。…やらなきゃ一ヶ月間はカンズメで書類整理やらされる…」
不本意そうに零すアークを、クスクス笑う二人。
「おい、笑ってる暇があったらとっとと神殿に戻ったらどうだ?ソロイ様に怒られても知らないぞと言ったぞ」
憮然と言われ、マリンは慌てる。
「ぁわ、そうでした。では、私帰りますね。お疲れ様ですー」
「あ!待ってよマリンさん。送って行くから」
走り去っていったマリンを、リュートが追いかけ、アークはやれやれと伸びをして訓練場を後にした。


「すみません、リュートさん。わざわざ送って頂いて…」
「いいよ。僕が送りたかったんだし。今は結構物騒だから、女の子の独り歩きは危険だよ」
マリンは軽く俯き頬を染め、礼を言う。
「ありがとうございます。…あ、もうここら辺で大丈夫ですから。今日は、ありがとうございました」
「うん。あの程度でよかったら、いつでもいいよ。またおいでね。…じゃぁ、おやすみ」
「おやすみなさい」
二人は軽く笑い合い、リュートが名残惜しげに引き返していく。
その背に手を振り、マリンは笑みを浮かべて自分の部屋へと帰って行った。




後書き

リュートvマリンですが、なんか、CPが重なったなぁ。
メモにはばっちし『アークvマリンで』って書いてあるのに…。
何処でどう間違えたんだろう。やはりリュートを出したのがまずかったのか?
………ま、いーや。リューマリは好きな一押しCPだしな。
ところで、白煙の騎士って、確かエルリックでしたよね?
記憶違いだったらどうしよう(苦笑)

さぁ、後10題で終わりだ!折り返しちてーんv
がんばります〜vv

BGM バナナフリッターズ(知ってる人は居るのか…・汗)





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