愛情とお菓子の箱
どこからか、男の声が聞こえる…。
ゆっくりと覚醒に向かってゆく脳が聞き覚えのある声を拾った。
『……らよぉ、隣の部屋が煩いうえに臭いんだよ。』
隣…?姉、ちゃんの部屋か…。
未だ半覚醒状態の脳でぼんやり考える。
身を起こし居間を見るとなにやら憤慨しているような男が母に詰め寄る。
しつこくせっつく男に、母はゆっくりと腰を上げ2階に上がっていった。
多少の興味から母の後ろをついて姉の部屋を覗く。
確かに、ムッと咽返すような悪臭がする。
母が訝しげながら部屋を伺うと、
白い箱の中にグラスに入った赤ワインのパッケージのお菓子の箱が入っていた。
(トッ○やポッ○ーの箱と同じ大きさ)
箱は所々腐敗し、カビ等が顔をのぞかせていた。
その箱を見て、はっとする。
その箱で、昔…
「あら、まだこんなもの持ってたんだ。
覚えてる?この箱で昔ハムスター飼ってたの」
覚えてると言う返事に頷く。
そうだ、昔飼ってたハムスターの家として、この箱を与えた…。
随分前に、死んでしまったが…。
懐かしさと切なさが広がり私は……
と言う所で姉ちゃんに起されました。
後書き
はい!突っ込みどころ満載です!
箱でハムスター飼うんか!?
と言うよりトッ○やポッ○ーの箱と同じ大きさって、めちゃ小さいじゃん!!!
しかも記憶ではハムスターではなくもう少しだけ大型だったんです、ここだけの話…。
(記憶がもうあやふやで、種類だけ)
そりゃ臭いわな。動物の、しかも死んだ後の臭いなんて我慢できるもんじゃないもんな。
よくその部屋で生活できましたな、姉ちゃん…。
でも、私は姉ちゃんの部屋で過去2回ほどカビを発生させた事あります。
1回目は本当に子供の頃。
知的好奇心が巻き起こした、悲しい出来事でした……。
持ってた色とりどりの粘土を水で一緒にしたらどうなるのだろうと思って、
容器に粘土と水を入れて、掻き混ぜてた事があります。
でも、思ったより早く柔らかくならないので、途中ですっかり忘れてしまっていました。
そして数ヵ月後。
片付けの最中にふと粘土の存在を思い出し覗いた瞬間、
私は生暖かい気持ちでゴミ袋に突っ込みました…。
モチロン、しっかりと蓋をして…。
2回目は確か中学生の時。
夏休みの最中宿題をやりつつ飲んでたオレンジジュースをほったらかしにして数ヶ月…。
立派なカビが発生してました…。
こんな妹でごめんよ。
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