マンスターの勇者セティ様
遅れる、間に合わない!そう思いながら、上野駅を走っていた。
焦っているのに、何に遅れるのかわからない上に、
時計の文字盤は真っ白で時間の確認すらできない。軽く舌打ち。
気付いたら、横をバーコードのおっさんが走っていた。眼が合い、笑いあう。
「お宅もですか?」「そぉなんですよぉ。もう、ここからすごく遠くて、ヤになります。」
「ははは。…いつも、ですか?」「とんでもない。いつもは歩きで間に合うんです。」
「はぁ、そーなんですかぁ。私はいつもこうです。…年甲斐もなく、朝に弱くて…。
お恥ずかしい。…大学生ですか?」「専学ですねぇ。」「ほぅ、何系ですか?」
「ぁ、ぅーん…。演劇系、です。(嘘は付いてないよね、うん。舞台もやりたいし。
…100%合ってるってわけでも、ないんだけさ。)」「へぇ、すごいですねぇ。」
「はは、あ、有難う御座います…。(皆そう言うんだよね。
別にすごい事なんかないのに…。)」「あ、そうだ。演劇系なら、これ、差し上げますよ。
なんか、劇団関係のらしいんですが、良く分からなくて…。」「はぁ…。」
戸惑いつつも礼を述べ、受け取る。しかし、どこをどう見ても何も書かれていない
「あの…、」聞こうと横を見ても、もうおっさんはいなくなっていた。
首を捻り葉書をゴミ箱へ捨てた。やっと外へ出て、バス乗り場へ。
(焦ってたのは、バスの時間らしいです。)
薄い灰色の、ローブを着ている男の後ろに並ぶ。どうやら神官らしい。
見覚えのある服装に、声を掛けてみる。男は、ストレイライズ大神殿の者だとつげた。
これから、神殿に帰るのだと言う。フィリアに会えるかもと思い、嬉しくなる。
そして、暫く待っていると、セティとティニーがやって来た。
セティがティニーの肩を抱いている事をからかっているとバスが来た。
前から3番目の席に座り、景色を見ている。ボーとしていると、神殿に着いたらしい。
(バスからの景色は、うちの近所でした。しかも神殿は、し○か団地…。)
バス乗り場の神官が、神殿の入り口から何か言って、(聞き取れなかった)
再びバスに乗り込んできた。私はセティ、ティニーと話をし、笑い合っていたら、
なぜか、バスのスピードがおちていくのに気付いた。どうしたんだろうと思い
周りを見回すと、セティがティニーを置いて風の勇者宜しく、バスよりも早いスピードで歩き去って行った。ティニーはというと、すごく遅いスピードでそんなセティを追っていた。
私は、ティニーとゆっくり喋りながら歩いていた。後ろを振り返って見ると、
バスが遥か遠くを走っていた。どうやら追い越してしまったらしい。軽く苦笑する。
私は歩きながらこれまで座っていたチャリの荷台
(ローラー付き。どうやらこれがバスの座席だったようだ。)
を持ち上げつつティニーに問いかける。
(持ち上げた意味はなかった模様…。)
「セティ、何かあったの?バス乗ってた時、ボーっとしてたから、
分からないんだけど…。私、何かしたっけ?」
ティニーは困ったように笑って、「貴女の所為じゃないです。私も、よく分かりません。」
そう言って、セティの消えた方を見遣る。
いきなり神官が、「終点ですよ。」と声を掛けてきた。
いつからあんたが車掌さんになったんだよと思い、顔を上げた。
ら、目の前に清掃のおばちゃんが居て、「お客さん、着きましたよ」と言っていた。
すぐさま我に返り、侘びと礼を言って走って逃げた。
私の中で、訳の分からん、怒らせると恐ろしい(?)
マンスターの勇者セティが強く印象に残っていた…。
後書き
学校に行く電車(某石田さんが「西日が眩しい」と言っていた宇都宮線上野行)
の中で見た夢です。普段すぐ忘れるくせに、この夢は忘れませんでした。(笑)
確か、5月に見たと思います。くだらないですね〜。莫迦がいますね〜。
突っ込みどころ満載です。
BGM デジモンアドベンチャー02 ベストヒットパレード
03.7.13UP
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